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日本の移民政策に口を挟む国連は、そんなに信用できる国際機関なのか!?

いま誇るべき日本人の精神 第4回

「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」という呼称が、連合国を指す言葉として、初めて採用されたのは、昭和十七(一九四二)年一月一日のことだった。
 この日、日本、ドイツ、イタリアなどの枢軸諸国と戦っていた二十六ヶ国の代表が、ワシントンに集まって、「連合国宣言」を発した。
 この名称は、このワシントン会議を主宰したフランクリン・D・ルーズベルト大統領が、提唱した。
 ルーズベルトが、このワシントン会議において演説し、日本や、ドイツと戦っている同盟諸国を、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」と呼ぼうと、提案したことによった。
 これ以後、アメリカの新聞や、ラジオは、連合国を指す言葉として、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」を常用するようになった。
 したがって、日本は昭和十六(一九四一)年十二月から三年八ヶ月にわたって、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」、または連合国を相手にして、戦ったのだった。
 東京をはじめとする日本の都市に、国際法を踏み躙(にじ)って、絨毯爆撃を加え、広島、長崎に原子爆弾を投下したのも、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」(連合国)の空軍だった。
 あるいは、今日、日本で定着してしまっている「国際連合」という言葉を用いるならば、国連の空軍が、日本の都市に、毎日、残虐きわまりない爆撃を加えたのだった。
「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、第二次大戦を戦っていた、一方の軍事同盟の呼び名である。

◆「平和を愛する国」の条件

 国連が結成される時に、日本と戦っていることが、加盟資格とされた。国連は、全世界のあらゆる国々を、網羅しようとしていたわけではなかった。
 国連への加盟資格について、国連憲章第四条によって、「すべての平和愛好国」と規定されたが、「平和を愛好する国」の条件として、一九四五(昭和二十)年三月一日までに、日本、ドイツをはじめとする枢軸国に対して、宣戦布告していることとされた。
 そのために、いくつもの国が、国連に加盟するのに必要な「平和を愛好する国」として資格をえるために、日本とドイツに急いで宣戦布告した。
 南アメリカを例にとれば、大戦中に中立を宣言していた六つの国が、三月一日の期限までに、日本とドイツに対して、慌てて宣戦を布告した。国連は戦争機構として発足したのであって、平和機関として産声をあげたのではなかった。
 マンハッタンの東岸にたっているのは、連合国(ジ・ユナイテッド・ネーションズ)の本部なのだ。潘基文事務総長は、「国連事務総長」ではなくて、「連合国事務総長」なのだ。

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加瀬 英明

かせ ひであき

1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めた。日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。著書に『イギリス 衰亡しない伝統国家』(講談社)、『天皇家の戦い』(新潮社)、『徳の国富論』(自由社)、『アメリカはいつまで超大国でいられるか』(祥伝社)、『中国人韓国人にはなぜ「心」がないのか』、『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』、『いま誇るべき日本人の精神』(ともにKKベストセラーズ)など。



 


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